映画 「世界の中心で愛を叫ぶ」 | coffee house  

映画 「世界の中心で愛を叫ぶ」

 昨晩は阪神タイガースの優勝を横目に、TBSで放送された映画「世界の中心で愛を叫ぶ」を観ました。原作がどうも僕の肌に合わなかったので、期待せずにというか諦め半分の気持で観たのですが、しっかりと最後まで楽しむことができました。というよりも全く別の物語に生まれ変わっていましたよね? キレイさっぱりリフォームされていて面白かったです。

                   

 片山恭一さんが建てた立派な建物を行定監督が一度スクラップして、使える材料は再利用しながら同じ土地に、全く違う建物を建てたみたいです。原作でなんとなく厭だなぁ感じた箇所がひとつひとつ丁寧に作り直されて、映画の中ではその違和感がほとんど見当たらなくなっていました。土台や骨組みから作り変えて、いろいろなエピソードも細かく創って、しっかりと全体の統一性もでて、更には登場人物のキャラクターまで完全に作り変えて、そのこだわりぶりというか原作の崩しっぷりにホントに感心しました。

            

 でも、原作ファンの方々や作者本人はあの映画を観てどう思ったのかなぁ? (きっと興行的な問題で)余計な登場人物も出てきたし、無理やりまとまりすぎている感じもするし、主人公のキャラクター(性格)まで変えられて同じ題名をつけられたら、あんまりいい気がしないんじゃないかなぁ。

            

 阪神タイガースも今年しっかりとリフォームして優勝しましたが、ウォークマンのエピソードは阪神の藤川投手みたいに大変身を遂げて、驚くくらいに大活躍しましたね。小説を読んで映画を観ていない人は一度観てみると本当に楽しめると思います。原作小説の世界も広がるし、脚本を書いた行定監督・坂元裕二さん・伊藤ちひろさんのこだわりが透けて見えて、ちょっと作品づくりの秘密を垣間見た気がします。